プロフィール

吉田 文(よしだ あや)

吉田文写真

名古屋に生まれる。
幼少の頃より、オルガニストである母の吉田徳子より、ピアノと音楽教育一般の教育を受ける。
その後ピアノを安藤仁一郎、桐山春美、作曲、理論、聴音を成田剛、兼田敏の各氏に師事。

愛知教育大学附属名古屋中学校を卒業と同時に単身でドイツへ渡る。
ヘルムート ペータース氏にオルガンを師事。現地高校(Gymnasium)に通いながら、同時にパーダーボン大司教座聖堂オルガニストの常時代理として、教会音楽家の活動を開始。
17歳で由緒あるパーダーボルン大聖堂のオルガン・ツィクルスに抜擢され、メシアンの「主の降誕」全曲を演奏し絶賛された。
同年、ドイツ国立ケルン音楽大学カトリック音楽科に特別入学の許可を得る。
オルガンをクレメンス ガンツ、ヴォルフガング シュトックマイヤー、ピアノをフランツ=エゴン クラインヨハン、陳必先に師事。グレゴリオ聖歌論、グレゴリオ聖歌指揮法ではベネディクト会マリア・ラーハ修道院カントールのヴィリブロード・ヘッケンバッハ神父の薫陶を受ける。
その他声楽、指揮法、即興演奏法、音楽理論、音楽史、典礼学、オルガン学等を修める。

1994年に同科を卒業、「Kantorin(カントール/A級教会音楽家)」の国家資格を得、引き続き同大学オルガン専科(大学院相応)に学ぶ。1996年、オルガン専科を審査員全員一致の最優秀の成績で修了。98年「ドイツ国家演奏家資格(Konzertexamen)」 取得 。

 G.リテイズ、A.レスラ-、N.ダンビ-、M.ラドゥレスク、J.エッセル、H.ヴァルター各氏のパイプオルガン、チェンバロマスタ-コ-スに参加する他、オルガン学権威のヘルマン=ヨゼフ・ブッシュ氏に師事。

1991年よりシュパイトオルガン製作所においてオルガン建築の実地研修を多々行う。1998度ドイツオルガンアドヴァイザー協会主催のオルガンアドヴァイザー養成コースを修了。

2000年ヘッセン州オルガニスト奨励賞受賞。

1995年より2006年までケルン南部司牧地区教会音楽家として勤務。典礼音楽の総責任者、またコンサートシリーズの企画・運営、教会音楽フェスティバルの総監督としても活動。独自の企画による2枚組CD「Streiflichter」は多くの現地専門誌で高得点を得るなど、その芸術的価値は注目を浴びた。

ヨーロッパ各地でも、2014年にはベルリン・コンツェルトハウスより招聘を受けるなど、活発な演奏活動を続けている。多々の世界初演あり。

日本に於いては92年秋愛知芸術文化センター新設時にはコンサートホールのオルガンデモンストレーションに協力、同センターをご視察の皇太子殿下(現天皇陛下)、秋篠宮殿下夫妻、ロス・アンジェルス市長を前に演奏した。93年以来愛知芸術劇場コンサートホール等で意欲的なプログラムによるリサイタルを行い高く評価されている。

2006年より活動の拠点を日本に移し、名古屋を拠点としたオルガン音楽と教会音楽の普及に尽力している。2007年には、2000年に解散された「名古屋オルガン友の会」の精神を受け継ぎ、「名古屋オルガンの秋実行委員会」を設立。カトリック五反城教会で年に2回〜6回程の定期的な入場自由の宗教音楽コンサートを開催し、教会音楽に親しむ機会を設けている。2011年に始まった愛知県芸術劇場コンサートホールで平日午前中に開催される「パイプオルガンブランチコンサートシリーズ」は現在も継続中。年間4回程、クラシックからポップス、映画音楽などジャンルを問わない作品を通してパイプオルガンの魅力を多面的に紹介し、中部地方におけるパイプオルガンの聴衆層を広げ続けている。

オーケストラ、合唱、諸編成アンサンブルのパートナーとしても定評を受けている他、現代舞踊など異文化とのコラボレーションにも力を入れている。

平成27年度名古屋市民芸術祭特別賞受賞。令和3年度名古屋市芸術奨励賞受賞。

准教授として務めた名古屋女子大学(領域「表現」、「保育の表現技術」)を2023年3月に退職。現在は名古屋音楽大学(パイプオルガン)、南山大学(典礼音楽、音楽「ミサ曲」)非常勤講師。その他南山大学エクステンションカレッジ(パイプオルガン、グレゴリオ聖歌)、朝日カルチャーセンター名古屋(教会音楽)講師として教会音楽とパイプオルガンの普及に努めている。

「名古屋オルガンの秋」主宰。日本オルガニスト協会、日本オルガン研究会、日本音楽学会、日本賛美歌学会会員。

主な活動(抜粋)

海外コンサート(ドイツ)

ベルリン・コンツェルトハウス、パーダーボルン大聖堂、ドレスデン聖十字架教会、ベネディクト会 マリア・ラーハ修道院教会、ミュンスター ランベルティ教会、ミュンスター大学教会、ビーレフェルド マリーン教会、ミンデン 大聖堂、ケルン 聖ゲレオンバジリカ 他多数。 多々の歴史的楽器を含む。

 

海外コンサート(ドイツ以外)

ポズナン・聖マリア・マグダレーナ教会(ポーランド)、ヴォルシュティン オルガンフェスティヴァル(ポーランド)、デュードランジュ オルガンフェスティヴァル(ルクセンブルグ)、セグラーテ 聖ステファノ教会(イタリア)他。

 

国内コンサート

愛知県芸術劇場コンサートホール、札幌コンサートホールキタラ、サントリーホール、カザルスホール、武蔵野市民文化会館、リリア音楽ホール、京都コンサートホール、いずみホール、LICはびきのホールM、国立音楽大学、東京大学教養学部

カトリック南山教会、カトリック五反城教会、札幌バプテスト教会(北海道)、カトリック元寺小路教会(仙台)、聖イグナチオ教会(東京)、東京カテドラルマリア大聖堂(東京)カトリック浦上教会浦上天主堂(長崎)、他。

 

共演(楽団)

プラハ放送交響楽団、ノイス室内合奏団

オーケストラ・アンサンブル金沢、名古屋フィルハーモニー交響楽団、セントラル愛知交響楽団(ナゴヤシティ管弦楽団)、マスターズ・ブラス・ナゴヤ、陸上自衛隊第10音楽隊

愛知県立芸術大学管弦楽団、名古屋芸術大学ウィンドオーケストラ

名古屋ムジークフェライン管弦楽団、名古屋市立大学OB管弦楽団、プランタン管弦楽団、名古屋市民吹奏楽団

東海市吹奏楽団、刈谷市民管弦楽団、長久手フィルハーモニー管弦楽団、岐阜県交響楽団、伊勢管弦楽団、三重フィルハーモニー交響楽団

愛知教育大学管弦楽団、岐阜大学管弦楽団、名古屋工業大学管弦楽団、名城大学管弦楽団

名古屋国際中学校・高等学校、名古屋大谷高等学校吹奏楽部、椙山フィルハーモニーオーケストラ 他。

 

共演(合唱団)

名古屋少年少女合唱団、豊橋少年少女合唱団、東海メールクワイアー、かの子会、パティオ・シアター合唱団、名古屋合唱団、東京室内混声合唱団、浜松男声合唱団、コーロ・ドマーニ、CORMI 他。

 

共演(独奏者等)

エムパイア・ブラス、ウーヴェ・コミシュケ(ワイマール音楽院教授)、武内安幸(元愛知県立芸術大学教授)、小出信也(元NHK交響楽団主席フルート奏者)、酒井淳(チェロ)、平山素子(舞踊)、倉知可英(舞踊)、林和利(朗読)他。

日本伝統芸能とも共演している(「芸術祭典・京 『求塚』」作・演出 茂山千之丞2世、京舞 五代目井上八千代 他)。

 

名古屋市民芸術祭参加歴

1997「女流作曲家による作品集」

2015 「Et in Terra Pax 〜そして地には平和〜」【特別賞受賞】

2019 「トーマス・マイヤー=フィービッヒ作品個展」(企画と演奏に関わる)【特別賞受賞】

2020「パイプオルガンソロと連弾による 無言歌」

2021 「Veni, Sancte Spritus 〜来たれ、聖霊よ〜」

 

あいちトリエンナーレ参加歴

あいちトリエンナーレ2010祝祭ウィーク 共催事業(主催)

あいちトリエンナーレ2016舞台芸術公募プログラム「Homo Orans et Harmonia Mundi 〜祈る人、そして世界の調和へ〜」(主催)

あいちトリエンナーレ2019舞台芸術公募プログラム「渦の中の女たち Les femmes dans le tourbillion」(共演)

 

自主公演

名古屋オルガンの秋コンサートシリーズ(2007年より)

(愛知県文化活動補助金、名古屋市芸術文化団体活動助成補助金事業 対象年度あり)

パイプオルガンブランチコンサート(2011年より)

その他リサイタル多数。

 

CD制作

・女性作曲家の作品集(2002)

・Streiflichter(2007)

・Ave maris stella(2010)

・Fantasy 1720(2012)